ぷっくり丸と一緒

ぷっくり丸と一緒~外科系女医の試行錯誤の日々~

仕事と家事と育児を欲張る形成外科医

読書~ファクトフルネス~

 

ファクトフルネス、は著者の造語です。ファクトフルネスの説明は本文中にあるのですが、一言で言い表すのは難しいです。私は、センセーショナルなものに偏りがちなメディアの情報や特定の団体が目的を達成するために発信する意図的に操作された情報ではなく、信頼がおけるデータをみて、自分の思い込みや偏見のフィルターを通さず、現実に起こっていることを理解する、そして全体として改善してきているということとまだ解決すべき問題が残っているということは両立することを心にとめ適切な対処を行う、その際非建設的なただの犯人探しと責任の擦り付け合いにならないようにする、という意味にとらえました。

勝間和代さんが以前話していた、ニュースはネガティブなものばかり取り上げるので世界は悪い方向にむかっているというイメージを持ちがちだが、実際は改善していることもたくさんある、といっていたのはこのことだったんですね。確かに、子供のワクチン接種率、自然災害での死亡数、女児の就学機会などなど、思ったよりもずっと改善してきています。

著者は公衆衛生のドクターなのですが、学生の時に、人間の寿命が延びたのは新しい治療方法や新薬の効果よりも公衆衛生によるところがダントツに大きいと習いました。この本を読んでいてもそれが本当であることがわかります。著者は過去の失敗についても書いてあり、効果が大きい分、間違うと大変なことになるということも知りました。大変な仕事です。

読みやすくて、自分の視野を広げてくれるいい本でした。おすすめです。

プライバシーポリシー