ぷっくり丸と一緒

ぷっくり丸と一緒~外科系女医の試行錯誤の日々~

仕事と家事と育児を欲張る形成外科医

女医のキャリアプラン

コロナ前だったと思いますが、ある学会の講演の中に、女性医師のキャリアプランに関してのものがありました。以前からもちょこちょこそう言った議題のものがあったのですが、なかなか時間が合わず聞けませんでしたので、その時初めて参加してみました。

 

キャリア問題は私にとって切実な問題です。参考になる人が近くにいないからです。仕事を続けている人は沢山いますが、ある程度専門性が高い手術をやり続けている人が少ないのです。

 

そもそも形成外科は、昔からあった外科や耳鼻科や皮膚科や整形外科で治療されていた疾患を、より専門的に治療するために新しくできた診療科のため、専門性が保てなければ存在意義に乏しい(と、私は思っています)という特徴があります。

 

ちなみに同じ医局の先輩たちのキャリアは以下の通り。

 

・ダブルネームの(同じ時間他の人も外来をしているので、急遽休んでも困らない。でも患者さんは少なくなる)外来、手術の助手のみ。

・研究分野にいく。(専門性は高く臨床の経験も活かせるので、性格的に合えばこれも選択肢としてはあり)

・出産前と同じように仕事を続けている(親が近くにいる)。

 

親が近くにいるの最強!

 

結局困るのは子供の急な発熱の対応と自分の患者さんの急変や予定外の処置のとき。それをカバーするとなると、かなりサービスが充実した保育園が病院に併設されていないと難しいです。でもそんなものはない。となると、頼りは親か旦那さん。急な休みが増えると、やっぱり医局としても人事を考えざるを得ないし、こちらとしても強く言えなくなるので、とにかく休まないのが大事です。

 

一旦フェードアウトして、第一線に戻ってきた女医さんはうちにはいません。そもそも手術が売りの科なので、ブランクがあると手が鈍る&一人前になるのに時間がかかる。そのため一人前になる前に長期休暇が入ると、それ以降キャリアを積むのが大変、という事情もあり、内科系より第一線に復帰するのが難しいのです。

 

前置きが長くなりましたが、結局、その講演で発表していた先生の答えは「スタッフが多くて休みやすい大学病院勤務にしてもらう」でした。

それは、わかってる!解決策が見つからないにしても、苦労話とか聞きたかったよ!

 

私としての答えは、親と旦那さんの協力をできるだけ確保する、シッターサービスと病児保育は複数箇所確保する、前もってわかる長時間オペのときは熱を出してもいいような計画を立てておく(親に休みをとってもらう)、家事はなるべく手抜き&効率化して体力と気力を保つ、子供がかわいそうとか旦那が稼ぐからいいでしょとかいう外の声に耳を貸さない、そしてなにがなんでも仕事をやり続ける、です。

 

残念ですが、今の時点では良い打開策はありません。これからも、たった一つの最適解はないでしょう。緩やかに社会が変化していく中で、みんなの意識や公的サービスや会社のシステムが変わっていってよりよくなっていくことを期待するしかないのだと思います。

 

頭とお金を使ってめっちゃ頑張らなければ仕事続けるのは難しい。でも子育てが終わってからも仕事は続くわけで、その時もやりがいがある仕事をしつづけるためにはとにかく現場に居続けること。それが大事。

多少色んなところで後ろ指をさされたとしても負けずになりたい自分を目指します。

 

 

 

 

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