ぷっくり丸と一緒

ぷっくり丸と一緒~外科系女医の試行錯誤の日々~

仕事と家事と育児を欲張る形成外科医

女性が第一線で仕事を続けるには

こちらに来て色々生活が変わり、私の女医のキャリアプランの考え方が固まってきました。

 

これまでは、第一線で仕事をするなら、親のヘルプを頼る、医者が多い大学病院に勤める、の二択しかなく、どちらもそれなりに問題がありました。親が仕事をしていなくてかつ関係が良好であることが条件だったり、大学病院で働く場合は、確かに急にお迎えに行かないといけない時は代わりの医者がたてられるけれど、そもそも自分の仕事に穴を開けたくないという希望が叶うわけではないということ。

 

病児保育はコロナでは役に立たないことが多く(濃厚接触者だとみてくれない、コロナ休園対応しない)、そもそも定員があったり、事前の受診が必要だったりで安心して頼れるわけではありません。

 

シッターサービスも、コロナ対応がない、またはコロナ対応があっても事前受診や事前の抗体検査が必要です。医者の仕事は、1日の仕事をまとめてすればいいわけではなく、外来予約や手術枠で時間ごとに仕事が割り振られているので、こういうサービスも使い勝手があまり良くないという問題がありました。

 

働く上でなかなか周りに参考になる人がおらず、1番共感できたのは、GoogleのCEOのシェリル・サンドバーグさんのTEDの講演でした。

その講演の内容は今でも大事なことはかわりないのですが、それに加えて、女性医師がやりがいを持って働き続けるために、具体的に必要なことが私の中でも色々固まってきました。今の時点での私の気持ちの覚書です。

 

・仕事をとれば諦めないといけないことが色々出てくる。でも対策を考えておけば、諦めてもそんなに不幸にはならない。例えば子供との時間は減るけれど、質を上げる努力をすればそんなに問題にならない。大事なのはちゃんと向き合える時間の長さ。

・いろんなことを最大限効率化することが必要。まずは家事。使える便利家電は全て使う。ネットスーパーを使う。通勤時間を短縮できる場所に住む。とにかく頭を使い続けて時間を捻出する。

・結婚した時から、仕事が続けたいこと、そのためにどのように具体的に協力してもらわないといけないかを旦那さんと話し合い続ける。話し合いができない人とは結婚しない。具体的に何をして欲しいか話すのが大事。旦那さんに、これは協力しないと離婚されるな、という危機感を適度に持ってもらいつつ、でも仲良くすることも大事。

・子育ては旦那さんとの負担の重みを均等にする。母乳は短期間&最初から混合栄養にして、どちらもお世話できる状態に持っていく。夜も交代でみる。そのかわり自分もちゃんと働く。でないと発言権がなくなっていく。

 

・家政婦さんを雇うためにお給料を上げる努力をする。支出を最適化する。医者の場合は、忙しくない病院やクリニックで週一バイトすれば、収入が増えるだけでなく、その時間を子供に邪魔されない勉強時間にも充てられる。バイトすることで失われる時間もあるけれど、他の時間を最大限充実させれば不幸にはならない。

 

・とにかく仕事を急にお休みしなくていい状況を作ることで、職場で常にみんなと対等に話ができるようにしておく。人事の内容にも発言できる立場を確保する。

 

・心身の健康に気を配る。体が弱いとか心が弱いと思われたら、大事な仕事は当ててもらえない。

 

厳しい!ほんとに厳しい道のり!

でも今のところこれしかないと思うのです。

 

私の周りの女医さんで、これが全部できている人はいません。みんな体を崩したり、離婚したり、離婚したいと思っていたり、つまらない仕事ばかりになって辞めていったり、、、。子持ちで仕事も家庭もがうまくいっている人は本当に少数です。うまくいっている人も、何かしら子供に関して罪悪感を感じていたり、一人でスーパーマンのように働いていたりとても大変。

 

でも一回きりの人生だから、仕事も家庭もなるべく妥協したくない。

 

今の勤め先はほぼ全員子持ちの女医なので、協力し合う下地があって居心地がいいです。もう少し、シッター文化が日本に根づけば色々解決すると思うのですが、少子化の中、なかなか難しいだろうなぁ。

 

 

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