ぷっくり丸と一緒

ぷっくり丸と一緒~外科系女医の試行錯誤の日々~

仕事と家事と育児を欲張る形成外科医

外山滋比古 知的生活習慣

96歳で亡くなられた外山さん。この本は2015年発行。

 

私は、このくらいの年齢の方が書く文章が時々無性に読みたくなります。気軽な読み物限定ですが。

 

まだ教育が身近じゃ無かったころに、教育を受けた人たち。

 

私は医者なので、しっかり勉強してきた方だと思いますが、その人たちはレベルが違う。そして、本人の勉強に対する意欲も違う。そもそも、頭の出来が違う。そして、大抵、上品。誰でも教育が受けられたわけではないから、厳しいセレクションがかかっている。

 

この年代の方の文章の端々から滲み出る知性に、羨望を感じるのがなぜか好きなのです。

 

この本、外山さんの、暮らしの中で知性を磨くいろんなアイデアが載っています。

 

何か閃くのに散歩がいいと思った時期があったけれど、最近は朝目が覚めてから、そのまま横になっている時間がいいようだ。なぜなら横になっていると頭に血が余計まわるから。

とか、

横になっていると内臓が立っている時みたいに押しつぶされないから、横になる時間を作ることが健康にいいし風邪を治すのにもいい

とか、

書き出すことで、書いてある安心感から忘れることが容易になる

とか、外山さんが思考を遊ばせてたどり着いた、確かにそう!、と納得してしまうアイデア、論理展開が面白いです。

 

何でもすぐにググれる現代は便利ですが、思考を遊ばせる隙間はどんどん狭くなっているように感じます。それとともに、生活の豊かな色彩も簡素化されていっているような。

 

もう一度自分の暮らし方を見直すことにもなるいい本でした。

本はいつもは読んだらすぐ処分しますが、これはしばらく取っておきます。

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