読書 ザリガニのなくところ
最近Audibleで耳から聴く読書を再開しました。
主に仕事の行き帰りに、ビジネス書や小説を二倍速で聞きます。
小説は二倍速で聞くと雰囲気がなくなって味気なく感じますが、一倍速だとまどろっこしい。
仕事の行き帰りくらいしか聞けないので、通勤が楽しみになりました。インスタみてるよりはずっと精神衛生上いいです。コマーシャルはずっと見ると疲れます。
評価が良くて目についたので、読んだ本、ザリガニのなくところ。
私は悲しい話が苦手なので、これは悲しい話っぽいと思って読むのを一瞬躊躇したのですが、最初の方にあった口コミがベタ褒めだったのと、ザリガニ、という単語に惹かれて読んでみました。
濃密で精密な自然の描写、自分が少女だった頃の心の動きを思い出させるような人物の細やかな心理描写、ストーリーの面白さ、確かに悲しい描写は随所にありますが、最終的には私としてはハッピーエンドよりの結末で、とても楽しめました。
時々挿入される詩が、悲しく美しい。
翻訳なので、作者ももちろん、翻訳者の言葉のセンスに脱帽です。
2倍速でも伝わってくる、悲しみを孕んだ、濃密で繊細な描写が何もかも美しい小説でした。
元気が出るわけではないけれど、自分の内面が豊かになるような、言葉の可能性に気がつかされる本でした。