ぷっくり丸と一緒

ぷっくり丸と一緒~外科系女医の試行錯誤の日々~

仕事と家事と育児を欲張る形成外科医

読書 ザリガニのなくところ

最近Audibleで耳から聴く読書を再開しました。

主に仕事の行き帰りに、ビジネス書や小説を二倍速で聞きます。

 

小説は二倍速で聞くと雰囲気がなくなって味気なく感じますが、一倍速だとまどろっこしい。

 

仕事の行き帰りくらいしか聞けないので、通勤が楽しみになりました。インスタみてるよりはずっと精神衛生上いいです。コマーシャルはずっと見ると疲れます。

 

評価が良くて目についたので、読んだ本、ザリガニのなくところ。

 

私は悲しい話が苦手なので、これは悲しい話っぽいと思って読むのを一瞬躊躇したのですが、最初の方にあった口コミがベタ褒めだったのと、ザリガニ、という単語に惹かれて読んでみました。

 

濃密で精密な自然の描写、自分が少女だった頃の心の動きを思い出させるような人物の細やかな心理描写、ストーリーの面白さ、確かに悲しい描写は随所にありますが、最終的には私としてはハッピーエンドよりの結末で、とても楽しめました。

 

時々挿入される詩が、悲しく美しい。

 

翻訳なので、作者ももちろん、翻訳者の言葉のセンスに脱帽です。

2倍速でも伝わってくる、悲しみを孕んだ、濃密で繊細な描写が何もかも美しい小説でした。

 

元気が出るわけではないけれど、自分の内面が豊かになるような、言葉の可能性に気がつかされる本でした。

読書 闇の脳科学

精神疾患の患者の脳にメスを入れるロボトミー手術に引き続き行われた、脳に電極を埋め込む治療法を研究したある医師の記録。

 

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その治療方法がどうというよりも、その医師の周りの人間模様が、今も昔も人間って変わらないんだなぁと興味深く、そして、栄華盛衰、諸行無常感を感じる本でした。

 

脳に電極を埋め込む、という言葉のインパクトに右往左往する一般の人々、保守的な精神科医との対立、裏切り、そして、確実に意味がある研究を行い、話題の人になっていたのに、最終的になぜか今の精神医学の世界から忘れ去られるという寂しさ。

 

体に電極を埋め込む実験、と聞くと、容易に倫理的な問題を感じさせ人目をひきますが、そもそも倫理的に許されないような状況下で管理されていた患者たちのこと、この研究が行われなければ、その非倫理的な状況下で死んでいくだけだったということは、問題にされないという人間社会の不完全さを感じました。

 

騒いだもの勝ち。

 

根本的には今も同じ。問題が何か、よりも、パッと目を引いたキャッチフレーズが重要視される。

 

この医師が正しいとか正しくないとかは、時代背景が違っていて議論はできません。

今の倫理とその時の倫理が違うから。そもそもこの本から得た情報量では偏っていて少なすぎます。

でも、色んな思惑が絡んでいたとしても、根底には善の気持ちがあったように感じるのは私が医者だからでしょうか。

 

電極なんて、いまや脳にも心臓にも脊髄にも、入れる治療があります。

 

脳科学とは違うところで、なんだか、人間って、つくづく幸せになりにくい生き物だなぁと思うに至った本でした。

読書 不登校でも学べる

娘4歳、息子1歳。まだ不登校問題までは時間がありますが、娘は若干保育園不登校気味。

 

行ってくれないと困るので、無理やり預けますが、いつも保育園の玄関付近でひと悶着あります。

 

保育園の先生も慣れたもので、泣きわめいていてもさっと抱っこして連れて行ってくれるので助かりますが、これが小学校にもなると厳しそう。

帰りがけはご機嫌なので、大嫌い、というわけではないようですが、家で好きなように過ごす方が好きなのでしょう。

 

こんな状態だから手に取ったというわけではないのですが、子供が不登校になったときの心配はやっぱりあるので、ツイッターに流れてきたこの本を読んでみました。

 

 

 

結論、頑張ればどうにか方法はみつかりそう。

 

今まで通りの仕事は続けられないかもしれませんが、子供が引きこもりになる道だけではないことがわかって安心しました。

 

コロナ禍でオンライン学習が身近になったのも後押しして、学校に行くだけではなく、オンラインで学ぶ、という選択肢が一般的になったのは良いことだと思います。

 

それだけではなく、自然の中で人間関係を学ぶようなスクールや、個性あふれる個別指導の塾、色々な選択肢があることがわかったので、不登校になってもお先真っ暗とあきらめずに、方法を探す希望を持つことができました。

 

読み物としても面白いので、おすすめです。

 

 

試行錯誤子育て

 

最近読んだ子育て本で、なるほどなるほど、と思いながら読んだ本です。

頭が良くなる本ではないのですが(そんな薄いハウツーだったら読まないかも)、子供の生態とその付き合い方がわかりやすく書いてあります。

 

今の小さい時期、子供にとって何が大事なのか、ひとつの解決策を提示してくれていると思います。

 

私がとにかく大切にしているのは、自己肯定感を育てることです。この本はそこが一致しているのですんなり読めたのかも。でもこれが難しい。

 

自分は大切な存在だ、と思ってもらうことと甘やかすことはちょっと重なってしまうところがあるので、どこまで譲ってどこから止めるか、の判断が難しいです。

 

お行儀をどこまで重視するか、親の都合を押し付けるのはだめだけど、そうせざるを得ない時もある。毎日ジレンマです。

 

とにかくなるべく目を見て遮らずに話を聞く、ほめるところを逃さない、約束は守る、大好きなことをことあるごとに伝える、この辺は夫と共になるべく実践しています。

 

一緒にお風呂に入ったとき、お風呂のお湯を口に含んで、ぶーっと出すのを見ながら、お行儀が悪いと注意してやめさせるべきか、飲まなければいいと言うべきか、悩んだ末、お行儀が悪いことだからお家でだけにしようね、と言いました。これが正解かどうかはわかりません。でも思う存分、ぶーってするのも子供にとって大事な気がしたので。。。

 

篠原さんの本は他のものも面白かったです。

また一冊注文中です。

 

 

 

外山滋比古 知的生活習慣

96歳で亡くなられた外山さん。この本は2015年発行。

 

私は、このくらいの年齢の方が書く文章が時々無性に読みたくなります。気軽な読み物限定ですが。

 

まだ教育が身近じゃ無かったころに、教育を受けた人たち。

 

私は医者なので、しっかり勉強してきた方だと思いますが、その人たちはレベルが違う。そして、本人の勉強に対する意欲も違う。そもそも、頭の出来が違う。そして、大抵、上品。誰でも教育が受けられたわけではないから、厳しいセレクションがかかっている。

 

この年代の方の文章の端々から滲み出る知性に、羨望を感じるのがなぜか好きなのです。

 

この本、外山さんの、暮らしの中で知性を磨くいろんなアイデアが載っています。

 

何か閃くのに散歩がいいと思った時期があったけれど、最近は朝目が覚めてから、そのまま横になっている時間がいいようだ。なぜなら横になっていると頭に血が余計まわるから。

とか、

横になっていると内臓が立っている時みたいに押しつぶされないから、横になる時間を作ることが健康にいいし風邪を治すのにもいい

とか、

書き出すことで、書いてある安心感から忘れることが容易になる

とか、外山さんが思考を遊ばせてたどり着いた、確かにそう!、と納得してしまうアイデア、論理展開が面白いです。

 

何でもすぐにググれる現代は便利ですが、思考を遊ばせる隙間はどんどん狭くなっているように感じます。それとともに、生活の豊かな色彩も簡素化されていっているような。

 

もう一度自分の暮らし方を見直すことにもなるいい本でした。

本はいつもは読んだらすぐ処分しますが、これはしばらく取っておきます。

橋田壽賀子〜安楽死で死なせてください〜

時々旦那さんと、最後の迎え方について話します。

 

2人とも医者なので、普通の方よりたくさんの死に方を見てきました。

 

延命処置をするかどうかについて、昔よりも意思表示が一般的になったかというと、私たちが関わる人に関しては、そこまでではありませんでした。

元気な時から延命は望んでいませんでした、と家族がお話しされる患者さんは少数です。どんなに高齢でも、どんなに色々病気を持っていても、死に方を考えたことがなかったという人の方が多い印象でした。

 

あまりにも不健康な人や完全には治らない病気の人をみすぎたのか、元々の性格によるものなのか、その二つの理由でか、旦那さんと私の考え方は少し特殊です。

 

途中で大きな病気になったら話は別ですが、幸運にも健康で長生きした時、頭と体が自分のものであるうちに、スケジュールの一つとして死にたい。そんなことができる場所があるだろうか?

 

というのが、最近の旦那さんとの話の中身です。

 

40歳目前になって、まだまだ新しいことを経験してそれを楽しんではいるのですが、確実に昔より挑戦する範囲が狭まってきています。諦めた、というより、したくなくなった、という理由で。

こんな感じで、挑戦したいことがどんどん小さくなってきて、生活が穏やかな繰り返しになった頃、ここで満足、というポイントがきそうな気がするのです。そのとき、選択肢として、積極的な理由がない安楽死が認められる場所が世界にあるのだろうか?

 

そんなことをぼんやり考えていたので、題名を見てこの本を買いました。神保町の古本屋さんで。そんな機会がなかったら、手に取らなかったかもしれません。これも出会いです。

 

流石の橋田壽賀子さん、とても読みやすい。渡る世間は鬼ばかりも、おしんも、好きなジャンルではないのでみたことはありませんが、誰でも読みやすい、突っ掛かるところがない文章で、あっという間に読み終わりました。

 

結果、橋田壽賀子さんも同じような考え方だったけれど、明確な解答は持っていませんでした。

 

やっぱり安楽死に関してはヨーロッパの方が進んでいるというのはわかりましたが、国籍が違っても同じサービスが受けられるのか、病気がなくてもいいのか、など確認しなければいけません。

 

橋田壽賀子さん自身はご自宅で見守られながら亡くなったとのことなので、今の日本では、とてもいい方の最後だったのではないかと思います。

 

年を取れば死生観も変わると思うので、まだまだなんとも言えませんが、とりあえず旦那さんと自分が同じような考え方だったのは幸運でした。

 

安楽死の答えは見つからなくても、橋田壽賀子さんの幼少時のことなど書いてあり、読み物としてとても面白い本でした。

ザ・ファブルが読みたい

Twitterを使っていると、途中に挟まる漫画の広告。私はいつもファブルなんですが、みんなそうなのかな。

 

その挟まれる広告だけでストーリーを追っているのですが、遅々として先が読めないので(当たり前)、ちゃんと読んでみたい。

 

こういう時は漫画好きの旦那に聞いてみると、結構持ってることがあるので今回も聞いてみました。

 

「読んだよ。でも買ってないよ。多分ネットカフェで読んだ。」

残念。

 

私は暴力系、虐待系が苦手なので、これは大丈夫?と聞いてみると、ヤクザの話だからね〜、とあんまりお勧めされませんでした。買うのはためらいます。

 

このままTwitterでストーリー追うか。。。そうすればいつかどこかで読む機会がくるかも。歯医者さんの待合室にあるとか。

 

それより何よりやっぱり読みたいのは、ハンターハンター。基本的に、最終話まで出てるのしか読まない主義なのに、これとSPY×FAMILYは読み始めてしまったのでした。。。後悔はないけれど、続きが気になる!

 

ジョジョの奇妙な冒険も読んでいる途中なのですが、ジョジョは私にはちょっと難しくて、読んでいる途中もあんまりストーリーを把握できないまま雰囲気で読んでいるので、続きがそこまで気になりません。でもジョジョリオン、そろそろ次が出ているはず。東京に来るまでに出ていた分は全巻もっていたのですが、かなりかさばるので、職場の看護師さんの息子さんにあげました。持っていくのだけでも5回くらいにわけないと難しかったです。

 

漫画は好き、でも、読み始めると家事や子供の相手や睡眠をそっちのけで読んでしまいがちなので、自制しています。ただ、違う世界にトリップできるので、考えても仕方がない悩み事を鬱々と考えてしまうときなんかは、漫画の力を借りています。

 

さて、日曜はお絵描きできる遊び場に。

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娘とお絵描き。もちろんトトロです。口と目が娘。

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2枚目はかなり進化。黒目と体の色が娘です。

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顔だけ私。あと娘。

 

なかなか丸がかけなくて、同年代より遅れていた娘ですが、成長しました。

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