ぷっくり丸と一緒

ぷっくり丸と一緒~外科系女医の試行錯誤の日々~

仕事と家事と育児を欲張る形成外科医

読書~DIE with ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール~

 

子供を産む前は特に、仕事が生活のほぼ全てを占めていました。自由な時間が欲しいのは欲しいけれど、いつかもう少し経験を積めばすこし余裕ができてその時期が来るだろうと思っていました。でも周りを見回してみると、ひとまわり以上上の先生もほぼ同じ生活をしています。このまま仕事に追われるだけの生活を送ることが良いかどうか結論が出ないまま、その問題は置き去りにして毎日を過ごしていました。

結婚をして、子供を産んで、仕事と子供のことに忙殺されるようになり、これもいつかは落ち着くだろうと思っていました。仕事を優先すれば子供の相手が片手間になる状況はよくないと思いつつも、仕方ないと一部諦めていました。

ただ最近、自分にとっての幸せが仕事だけではないことを自覚し始めました。子供と過ごす時間の質も私にとってとても大事になってきました。このままのペースで仕事を続けたらきっといつか後悔するだろうという思いが強くなってきました。

旦那さんはそもそも人生は楽しむべきで、死ぬときにはガッツポーズで死にたいと常々話しているような人ですが、それでもやっぱり自分の自由な時間を持つのは定年後だと考えていました。

もっと普段の生活の中でも仕事以外の自分がしたいことをしたり、子供と過ごす時間をとりたいと思い始めた時に、この本はすぐにそれを始めなさい、それが正しい道だと背中を押してくれる本でした。

 

 

ゼロで死ね!はあくまでも単純化したメッセージですが、でもそのメッセージを胸に、少しでも若くて元気な時に、やりたいことをやり、その時いる人たちとの時間を楽しみながら生きることが大事だとこの本は教えてくれます。お金を無闇に貯金に回すのではなく、きちんと老後に必要な資産を計算した上で、余りそうなお金は現在を楽しむために使うこと。楽しむための時間はお金で買ってでも作ること。自分の体が動かなくなって、子供が成人して、親が死んでしまってから、時間とお金がたくさんあっても仕方がないんです。

投資の本やブログを読んでいてもこの考え方はちょこちょこ出てきます。将来必要になる金額とそこに至る投資スケジュール(投資信託の定期購入)を決めたら、残りのお金は現在の自分自身に投資したり、現在の楽しみに使うことを勧めている人たちのほうが、早く貯めて早期リタイアを目指す人より私には魅力的にうつります。

早期リタイアする人たちは自分の時間をリタイア後にたくさん持つことができて一見いいのですが、リタイアするまでの時間を楽しめていない&皆さんリタイアまでしてその後の何十年をかけて楽しみたいことがあるようにも見えないからです。実際リタイアして数年したいことをした後することがなくて仕事に戻ってくる人も多いそうです。それなら仕事をしながらしたいことができる状況を模索する方が人生の質は高いと思います。

コロナもまだ収まったとはいえず、先行き不透明な中ではさすがにゼロで死ぬ(死ぬときにちょうど資産がゼロになるように使い切る)人生計画を立てるのは難しいですが、そういう心意気で生きることは死ぬときに後悔しない人生を生きるのに大事なことだと言い切ってくれる、読んでいて目が覚めるような本でした。

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